和美と良之は大学のサークル時代から仲間うちでも気の合う方だった。
二人が結婚すると決めた時、仲間のみんなにいい組み合わせだと言われた。
和美自身もそう思っている。
良之をパートナーに選んだことについての後悔はただの一度もない。
それどころか彼を選んでよかったと思っている。ただ、時々どうにもやるせなくなる。
そのやるせなさがマグマになって、和美の胸の奥で時折うごめく。
それがあの午後のギラギラとうねる波のように、感情を揺らすのだ。
凪いだ海が、空から落ちてくる夕焼けに染まっている。
自分でどうしようもないことを気にしないと決めて気に病む。
やるせなさの種を拾っていく自分を振り返り、和美は心の中で呟く。
「この海みたいに、赤く燃えながらも、静かに落ち着く日が来るんだろうか」と。
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